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AIと3Dで挑む、新しいデジタルワールド『LIVING with LIVLIES:もしもの世界』の開発裏側

ENSAPIA Engineeringは2026年5月7日、『リヴリーアイランド』の世界観をベースにした最新作『LIVING with LIVLIES:もしもの世界』をリリースしました。

本作は、「終末スローライフ」という独自の世界観の中で、プレイヤーが肉体を持たない「タマシイ」となり、リヴリーのからだを借りて世界を探索していくゲームライクアプリです。素材を集め、家具や服をクラフトし、自分だけの拠点を築いていく体験が特徴です。

穏やかでかわいらしい見た目の裏側には、2Dで培ってきた表現を3Dへ拡張する挑戦、探索体験への大きな方針転換、そしてAIエージェントを活用した新しい開発スタイルがありました。

今回は、本作の開発をテックマネージャーとして牽引した倉に、開発の裏側を聞きました。

【プロフィール】

名前所属 / 役職経歴
倉 秀一
(くら しゅういち)
ENSAPIA Engineering株式会社
Service Development Division / Tech Manager
株式会社コナミデジタルエンタテインメントにてエンジニアリーダーを経験後、
GREE株式会社でエンジニアマネージャー・リードエンジニアを務める。
2015年ココネ(現:ENSAPIAグループ)に入社し、
『ポケコロツイン』『リヴリーアイランド』の立ち上げ、
及びクライアント開発に従事。
2023年にCTOを務め、現在は新規ゲームタイトル
『LIVING with LIVLIES』の開発をテックマネージャーとして牽引。

3Dで再構築する、「クラシックリヴリー」の原体験

ーー まず、『LIVING with LIVLIES:もしもの世界』はどのような背景から生まれたのでしょうか?

倉:

2024年3月末から開発がスタートしました。ENSAPIAではこれまで、アバターを中心としたデジタルワールドを展開してきましたが、もう少し範囲を広げて「新しいお客様に楽しんでもらいたい」、「もう少しゲームっぽさを取り入れたい」というアイデアが出発点でした。そのために3Dを活用して、色々な要素を入れていきたかったんです。

プロデューサーであり、リヴリーの生みの親である土屋さんによると、「Web(クラシック)の時のリヴリーアイランドに近いような体験を感じてほしい」という想いもありました。

「終末世界」や「リヴリーが亡くなってしまう」など、少しショッキングな内容も含めて、あの世界観を再現しようと考えました。

ーー 立ち上げ初期、ほぼ何もない状態からどのように開発を進めていきましたか?

倉:

私がプロジェクトに参加した当初は、まだサーバーと接続せず、スマートフォン上だけで動作するモックに近い状態で開発を進めていました。

当時は、「探索」「タマシイコーデ」「ホーム画面」など、それぞれの要素がどう組み合わされば面白い体験になるのかを検証することが最優先でした。そのため、担当エンジニアごとに機能を分担し、クライアントだけで素早く試作と改善を繰り返していました。

一方で、サーバー側の開発も並行して進めていました。将来的に必要となるAPIはサーバー側で先行して実装し、機能が固まったタイミングでクライアントへ順次組み込んでいく形を採用しました。

初期段階ではあえてサーバー接続を後回しにすることで、仕様変更の多いフェーズでも試作のスピードを落とさずに開発を進められました。

2Dのかわいさを3Dへ。TAとサウンドが支えた世界観づくり

ーー 技術的に一番こだわった部分はどこですか?

倉:

アプリとして、こだわっているのは3Dの表現です。今までのサービスで、「グラフィックを専門で担当するTAがプロダクトに専属で入っている」というのは、初めての試みでした。今回はエンジニア寄りのTA、デザイナー寄りのTAの2名体制で行いました。

ENSAPIAとしてこれまで培ってきた2D表現の強みを、3Dのプロダクト体験へどう繋げるかは、大きな挑戦でした。いろいろ試行錯誤しながら「3Dとアバターの表現の両立」「今までの2Dのリヴリーのかわいさを実現できるのか?」「動きのつなぎ」など、工夫を凝らしながら挑戦しました。

また、リヴリーは体の色や模様を変更したり、耳や尻尾など各パーツの位置や大きさを細かく調整したりできるため、どのようなカスタマイズをしても違和感なく表示されるよう細かな調整を重ねました。さらに、探索中のリヴリーの動きについても、「可愛らしさ」と「自然な動き」の両立を目指して試行錯誤しました。

【 音のプロフェッショナルが仕掛ける「3D空間の奥行き」】

本作では、サウンドも世界観を構成する重要な要素として設計しました。画面が切り替わっても同じ世界にいる感覚を維持できるよう、共通するメロディーを活かしながらシーンごとにBGMを変化させています。また、洞窟や水の中では反響やこもり感を演出するなど、環境に応じた音響表現も取り入れました。

さらに、サウンドエンジニアが専属で開発に参加し、音源の配置まで設計することで、3D空間ならではの臨場感を実現しています。

アクションからすごろくへ。世界観を届けるための体験設計

『LIVING with LIVLIES:もしもの世界』では、配られたカードを使ってマスを進みながらエリアを巡る「すごろく型」の探索システムを採用しています。プレイヤーは探索を通じてさまざまな出来事に出会いながら、世界観を楽しめる仕組みです。

ーー すごろく型の探索機能はどのような経緯で生まれた機能なのでしょうか?

倉:

初めに作っていたプロトタイプは、ジャンプしてタイミングを合わせたりするようなアクション性が強いものでした。

しかし、「本当にこのような体験をお客様が求めているんだろうか?」という疑問が出てきました。3Dの空間で”リヴリーが可愛い”とか”動きが楽しい”とか、”空間を感じる”、”世界を体感する”という部分が、アクションだとプレイに必死になりすぎてそこまで気にしなくなってしまうんじゃないかという懸念が生まれました。

それよりも、そんなにテクニックを要求せず誰でも気軽に楽しめて、空間や世界を体感しながら「ながら」で遊べるものがいいのでは、と考え直しました。そこから、シャッフルされたカードが配られて、そのカードを使ってすごろくみたいに進んでいく今の形に落ち着いたんです。

AIエージェントが変えた開発スピードと、エンジニアの役割

ーー 開発の中で、AI自体を使って開発を進める場面もありましたか?

倉:

AIに関しては、去年の12月からはGitHub Copilotを使っていましたが、限られた開発体制の中でもスムーズに進められた背景には、AIエージェントの活用が大きくありました。

2026年になってQAテストを本格的にやっていく中で、Claude Codeをクライアントエンジニアでも使い始めました。おかげで凄くはかどって、最終的には全エンジニアがClaude Codeを使うようになりました。設計判断、レビュー、品質担保はエンジニアが責任を持って行っていますが、現在、コード作成の9割以上はClaude Codeが占めています。

開発の速度自体はだいぶ上がりましたね。ただ、それでも他の職種間との連携だったり、仕様のすり合わせだったり、どうしても人が入る部分は今までと変わらない。開発速度が上がった分、人が担うべき設計判断や職種間の合意形成の重要性がより高まっていると感じています。

ーー 開発の中で、一番苦しかった瞬間は何でしたか?

倉:

技術的・仕様的に苦しかったのは、タマシイ(アバター)の着せ替えと、ハウスのカスタマイズです。タマシイは色んなアイテムが装着できるのですが、アイテムの組み合わせの制御が非常に複雑でした。例えば「ピアス」や「ヘアピン」のアイテムがあって、「耳の形が変わったらどの場所に付くべきなのか?」「髪型が変わったら位置はどうなるのか?」など、アバターのカスタマイズ性が高いからこそ、実際に実装していくのは難易度が高かったです。

また、「ハウスとタマシイとリヴリーが、ホーム画面でそれぞれが楽しく成立するにはどうする?」という難しさもありました。

そして、一番難しかったのは「探索」の実装です。ENSAPIAグループではこれまで、アバターの着せ替えやコミュニケーションを中心としたサービスを数多く開発してきました。一方で、本作のように「探索」をゲーム体験の中心に据えたタイトルの開発は新しい挑戦でした。そのため、遊びとして成立させながら、リヴリーらしい世界観や可愛らしさも両立させる必要があり、試行錯誤を重ねました。

エリアを探索して色んなことが起こるという仕組みにおいて、「どのようなゲームバランスにするか」をプランナーと話し合いながら、なおかつデザイナーが考える空間や世界観を入れ込んでいくのはとても大変な作業でした。探索チームは、ずっと苦労しながら作っていましたね。

お客様の創造力が、開発チームの想像を超えていく

ーー リリース後、想定していなかったユーザーの使い方や反応はありましたか?

倉:

お客様がハウスコーデでアイテムを色んな組み合わせ方をして、私たちの想定外のレイアウトなどを楽しんでいることです。これには本当に「ド肝を抜かれる!」という感覚でした。デザイナーもエンジニアも、みんなSNSでお客様の投稿を発見して驚いています。

これからも、私たちが想像もしていないような楽しみ方をしてもらえるんじゃないかと、とても期待しています。

ーー このプロジェクトの中で、「やっていてよかった」と感じた瞬間は?

倉:

実際にリリースして遊んでくださったお客様の反響をいただいたときです。X(旧Twitter)などSNSでのハッシュタグ投稿やファンアート、感想などの反応を見ている時が、やっぱり「やっていてよかったな」と心から感じます!

記事を読んでくださった方へ

『LIVING with LIVLIES:もしもの世界』は、ENSAPIAグループがこれまで培ってきた「アバターの世界」を、3Dやゲーム要素の強いサービスという新たな領域へ踏み出した挑戦的なプロダクトです。

AIによって実装のスピードが大きく変わる今、エンジニアに求められる役割も変わりつつあります。

ただコードを書くのではなく、世界観をどう体験に落とし込むか。ユーザーが思わず遊び続けたくなる仕組みを、どう技術で支えるか。

ENSAPIA Engineeringでは、技術の力でまだ見ぬデジタルワールドの体験をつくる仲間を募集しています。

▽各求人の詳細は下記からご覧いただくことができます。

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