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CEDEC2026にブース担当者&受講者として全力参加してきました!

こんにちは。UnityエンジニアとTech Evangelist(技術広報に近い役職)の業務を担当しているSNです。

CEDEC 2026には、自社ブースのスタッフと受講者の二つの立場で参加しました。

1日目と3日目は終日、2日目は夜のDevelopers’ Nightのみ現地へ足を運んでいます。

会場を行き来するなかで見えてきたのは、AIと人の判断をどこで分けるか、長期運用に耐える基盤をどう分けるか、ブースで会話の入口をどう作るかという三つでした。

受講したセッションの感想と、ブース側で見えたことをあわせてレポートします。

本文中のセッション名は、読みやすさのために一部を省略しています。正式なタイトルは、各セッションに記載した「講演情報」のリンクを参照してください。

Day 1(7月22日)

朝:ブース設営

当日は9時集合で設営を少しだけお手伝いしました。

開催前日に設営を進めていたためほとんど組み上がっており、私は仕上げの確認くらいで済みました。

ポケコロユニバースを中心に、タブレットで実際のアプリを触っていただけたり、AIを活用した機能をご紹介したりするブースとなりました!

私が出会った素晴らしいゲーム、クリエイター、そしてその創造性について

初代PlayStationの立ち上げからインディー支援まで、関わった26作品を制作者と組織の物語として振り返る基調講演でした。

優れたアイデアだけでは作品は完成せず、クリエイターの判断を支えて制作を前へ進めるプロデューサーが必要だという話がいちばん残りました。

創造性を個人の才能ではなく、試作を許す環境や意思決定の仕組みまで含めた制作条件として捉える視点は、育成や体制づくりにもそのまま持ち込めそうです。

13年運用タイトルのサーバーサイドが辿り着いた現在地

『モンスターストライク』を13年運用してきたサーバーサイドの技術、組織、AI活用を横断で整理した内容でした。

技術的負債を一度に潰さず、撤去対象の判断にデータベースの履歴を使って保守作業を自動化していたのが具体的で参考になりました。

年月が経つほど、設計当時の背景を知る人は減っていきます。

聞きながら私が考えたのは、設計意図と変更理由を残す作業が、将来の開発者への引き継ぎであると同時に、コードを読ませるAIへ前提を渡す準備にもなる、ということでした。

昼:お昼休憩とブース担当

お昼の前後は何回かブースの担当としてお手伝いしていました。

スタッフ側に立つと、来場者としてブースを回っていたときには気づかなかった導線や、お声がけするタイミングの難しさが見えてきて、これはこれで勉強になります。

アンケートとガチャガチャという分かりやすい入口があると、立ち止まってもらってから話を始められるので、サービスやAIを使った新機能についてお話ししやすかったです!

ポケモン勝負の進化を支える、バトルシステムの基盤設計と運用事例

バトルの進行を「Section」、発生した出来事を「Event」、個別仕様の反応を「Handler」に分けて、共通ロジックと個別仕様を疎結合にする設計の紹介でした。

単純な例から効果の連鎖や再帰的な処理へ順に広げる構成で、複雑なバトル処理をどの単位で分解しているのかがとても追いやすかったです。

要素数が増えても共通処理を直接書き換えずに済む形は、長期運用のタイトルにそのまま効く考え方だと思いました。

終末スローライフアプリ『LIVING with LIVLIES』運用を支える技術

ブースを一度抜けて、自社から登壇した高野さんのセッションを聞きに行きました。

URPの描画設計、DCCツールからUnityへの量産パイプライン、開発支援のAI活用が一続きの話としてまとまっており、とても聞きやすくて楽しいセッションでした。

見た目の要件だけでなく、作り続けて検証できる仕組みまで含めて技術課題として扱う姿勢は、運用タイトルらしい整理でした。

🔻セッションの登壇映像はこちらからもご覧いただけます

『モンスターハンターストーリーズ3』QA/QCを変革する自律型マルチAIエージェント

問題が出てから直すのではなく、ゲーム全体を走査して課題を予測し、原因説明と修正提案まで行うQAエージェントの事例でした。

すべてをAIに委ねず、エンジンから取れる決定的な情報で候補を絞り、文脈判断が必要な部分だけをLLMやVLMへ渡す分担が印象的です。

負荷の高い場所のヒートマップ化や自動キャプチャ、カットシーンのフレーム抽出など、検出結果を担当者が確認しやすい形へ変換しているところまで作り込まれていました。

一方で講演では、仕様変更が続けば正答率は落ちるため、評価データとルールを更新し続ける運用まで含めて初めて実用になる、という説明もありました。

導入して終わりではなく、精度を保つ運用を誰が持つのかまで決める必要がある、と伝えていてとても共感できました。

「NINJA GAIDEN 4」における忍ばないバトルアクションのつくりかた

「爽快」のような感覚語で指示せず、入力、行動、対象の反応、結果の順に体験を記述してから実装へ入る、というゲームデザインの話でした。

アニメーション担当へ動きを細かく指定するのではなく、必要な性能と意図を伝えて専門性を活かす、という伝え方は、私のチームでもそのまま使えそうです。

プレイヤー側を基準として固定し、武器や敵を一群ずつ調整する進め方も、違和感の原因を追いやすく、仕様設計の規模を問わず真似できそうです。

Day 2(7月23日)

夜:Developers’ Night

2日目は都合がつかず、日中のセッションは受講できませんでした。

ただ、夜に開催された開発者同士の懇親会、Developers’ Nightだけは参加してきました。

交流ラウンジでのビュッフェスタイルの立食形式で、パーティーのような雰囲気のまま業界の方と話せる場になっていました。

日中のセッションを受けられなかった分、その日に何が話題になっていたかを参加者から直接聞けたのはありがたかったです。

参加費は別途必要ですが、普段は接点のない他社の開発者と話せるので、私にとっては、参加費を含めても得るものの多い時間でした。

Day 3(7月24日)

「世界に普及可能なコンピュータやネットワーク技術の生産手段の確立」

技術を生む個人の才能ではなく、技術が生まれ続ける「生産手段」をどう設計するかという基調講演でした。

自由に触って壊せる場所が、技術と人材と事業を同時に育てるという話が、SoftEther VPNや大学、行政の実験環境の事例から具体的に伝わってきました。

契約時点で成果を固定する構造だけでは、用途がまだ定まっていない技術に投資しにくいという指摘も納得感があり、育成施策を研修で終わらせず実験から再投資まで循環させたいと思いました。

グラフィックスエンジニアのためのニューラルシェーディング入門

UV座標からRGBを出力する画像近似を入口に、学習から実行時のシェーダー推論までを段階的に説明してくれる入門講演でした。

ニューロン数を増やす場合、層を深くする場合、周波数エンコーディングやLatent Textureを足す場合で精度がどう変わるかを画面で追えたので、仕組みと結果が結び付けやすかったです。

ニューラルテクスチャ圧縮やニューラルベイクGIの事例からは、見た目を作る技術というより、容量と実行性能の制約を解く手段として見えてきたのが面白いところでした。

昼:お昼休憩と他社ブース巡り

お昼はブースの合間に他社の展示も見て回りました。

同じようにガチャガチャを回す企画をしていたブースでは技術同人誌やノベルティを配っていたり、登壇者を宣伝するチラシを作っている会社もあり、大変勉強になりました。

展示を「集客の仕掛け」と「持ち帰ってもらう情報」の二段構えで組み立てているところが多く、来年の企画を考えるうえで良い材料になりました。

『GRANBLUE FANTASY: Relink – Endless Ragnarok』の世界

2Dイラストの色や空気感、面として整理された明暗を、3Dのライティングへ翻訳する背景制作の事例でした。

講演中の「光の振る舞い」という言葉のとおり、光を自然現象としてそのまま受け入れず、作品らしい印象を作るデザイン要素として制御しているのが興味深かったです。

画作りの意図を感覚で共有せず、制御情報や専用ツールへ落とし込むところが、複数人で品質を保つ条件なのだと感じました。

ゲームデザイナーによる生成AIを活用したゼロからのゲームプロトタイピング

エンジニアを主職種としない企画者が、環境構築から企画分解、アセット生成、コード生成、エンジンへの統合までを工程として管理してプロトタイプを作る話でした。

曖昧な指示を投げ続ける進め方ではなく、同じ目的で複数ツールを試し、生成品質だけでなく修正のしやすさや統合コストまで比較していたのが分かりやすかったです。

企画者の判断を置き換えるのではなく、アイデアを触れる形にするまでの時間を短くする道具として扱う、という位置づけは、私の現場でも扱いやすいものです。

『CODE VEIN II』におけるバイクのリアルな物理表現と手触り設計

最後は25分枠のショートセッションを2本続けて受講しました。

1本目は、Chaos Vehicleの挙動をそのまま使わず、操作性と見た目の納得感のために補正を加える判断が印象的でした。

不具合ごとに局所対応を重ねるのではなく、バイクに求める手触りへ立ち返って調整する進め方は、乗り物に限らず参考になります。

車載コックピットHMI領域における、ゲームエンジンUnityの活用事例

2本目の車載HMIは分野外の事例です。

講演では、Unityを自動車で使う場合、限られた計算資源に加えて、スリープと復帰や車両側システムとの状態同期まで必要になると説明されていました。

制約の中でリソース管理と最適化を続ける点では、ゲームの運用にも通じる内容だと感じました。

総括

今年は1日目と3日目のセッションに参加し、2日目はDevelopers’ Nightに足を運びました。

スタッフ業務と行き来しながらの受講でしたが、そのぶん受ける側と見せる側の両方を体験できました。

印象に残ったのは「AIをどこまで任せ、どこから人が判断するかの線引き」と「長期運用を前提にした基盤の分け方」の2つです。

QAエージェントも生成AIプロトタイピングも、AIに全部を渡すのではなく、決定的に判定できる部分を先に絞ってから曖昧な判断だけを渡す、という構造が共通していました。

講演では、基盤や保守、画作りと全く異なる分野の講演を聴講していましたが、設計意図を個人の記憶や感覚に閉じず、仕組みやツールへ落とし込む点は共通していました。

ブース側では、企画の入口をどう作るかと、持ち帰ってもらう情報をどう用意するかなども学べたので、来年は配布するチラシの見直しから検討してみたいと思っています。

以上、CEDEC 2026 現地レポートでした。ありがとうございました!

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